首の痛み
首は脳につながる中枢神経や血管などがある重要な器官です。
約4kgの頭をささえ、動きも多いため、首及びその周辺の痛みを起こすことは人間の宿命ともいえます。
首の病気でみられる一般的な症状は、頸部のいたみ、肩甲骨内側の痛み、肩こり、手(上肢)のしびれ・痛み
なのですが、これらの症状は内科的疾患(狭心症、脳の病気、更年期障害)でも起こることがあり、その
原因がどこからきているかを見極めることがもっとも大切です。
多くは加齢に伴い首の骨にトゲ(骨棘)ができ、後方にある神経を圧迫することにより発症します。
首から背中の痛み、手のしびれなどが起こり、症状が進行すると手(上肢)の痛み・筋力低下や細かい作業が困難となります。
脊髄神経の本幹が圧迫されたものを頸椎症性脊髄症と呼びます。
脊髄神経の本幹とは脳から直接でている部分ですので治療を急ぐ必要があり、下肢にも症状がでたり、上肢の痛みや筋力低下が強いときには手術が必要な場合もあります。
頸椎症性脊髄症と異なり、脊髄神経の本幹から出た神経根という枝が圧迫されたものを頸椎症性神経根症と呼びます。この場合には下肢への症状はなく、多くの場合保存的治療の対応が可能です。
椎間板とは背骨の骨と骨の中のクッションです。線維輪というバームクーヘンのような形をした硬い組織のなかに髄核というやわらかい組織があります。
線維輪に何らかの原因で亀裂が入り髄核がとびだして神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアで、おもに頸と腰で起こります。
症状は頸椎症とほぼ同じですが、頸椎症に比べ若年者に多い傾向があります。
首から肩、上肢にかけての痛み、こり、だるさ、脱力感などの症状があり、その原因が分からないものを頸肩腕症候群と呼びます
頭痛、眼精疲労、めまい、吐き気などを伴うこともあります。
コンピューター作業を中心にデスクワークの方に多く、また女性に多いのも特徴です。
長時間にわたる首や上肢への身体的ストレスも原因のひとつと考えられています。