腰痛

腰痛は約80%の人が経験していると言われ、近年は比較的高齢の方の腰痛が増えています。
急に起こる腰痛がいわゆる「ぎっくり腰」です。
原因として筋肉・靭帯の過伸展、部分断裂(筋筋膜性腰痛)、背骨と背骨をつなぐ椎間関節の捻挫、椎間板ヘルニアなどがあげられます。
多くは4~5日、長くても2週間くらいで痛みはひきますが、時に慢性化することもあります。
慢性の腰痛は腰痛症と呼ばれ、原因不明のことも多くあります。
原因の主なものとしては変形性脊椎症、腰椎椎間板症、椎間板ヘルニアなどがありますが、時に内蔵の病気が原因の場合もあります。
「首の痛み」のページで説明した椎間板ヘルニアが腰で発生したものです。
約1%の人に認められ、20~40才代の男性に多く発症します。

原因は加齢による変化、外傷、姿勢などに加え、遺伝子的な要素も研究により明らかになっています。
腰、臀部(お尻)の痛み、足(下肢)のしびれ・痛みが主な症状ですが、進行すると下肢の筋力低下(足に力が入らない)、膀胱直腸障害(尿や便の排泄が困難)までもが出現してきます。
脊椎変性疾患とは加齢に伴い脊椎が変形し神経を圧迫する変形性脊椎症と、椎間板という脊椎と脊椎の間のクッションがいたんではみ出し、神経を圧迫するヘルニアに大別されますが、多くの場合両者の混在がみられます。
いずれも体幹部の痛みを認めますが、悪化すると下肢の運動・感覚障害をともない、歩行等の日常生活に大きな支障をきたします。
多くは変形性脊椎症の悪化により背骨の後方を走る神経の通り道(脊柱管)が狭くなることにより起こります。
腰痛、足(下肢)のしびれが主な症状ですが、しばらく歩くと下肢がしびれて歩けなくなったり、座ったり、しゃがんで休むとまた歩けるようになる間歇性跛行という典型的な症状があります。
進行すると連続して歩ける時間が序所に短くなります。
脊椎脊髄専門医とは、臨床症状や検査所見から病状を正確に分析し診断を行い、その診断に対しどのような治療法を行っていくのが最善かを見極めることを行います。

首や腰が原因である、脊椎・脊髄疾患は多くの場合保存的治療での対応が可能です。
当院では薬物療法、理学療法、ブロック注射(局所ブロック、硬膜外ブロック、仙骨硬膜外ブロック)などを行っております。
また手術が必要な患者さまに対してはすみやかに連携病院を紹介しています。
当院ではセカンドオピニオンを目的に受診される患者さまも多数来院されます。
「もう年だから」などとあきらめずにお気軽にご相談ください。