スポーツ障害
スポーツ整形外科とはスポーツ障害を扱うものです。
スポーツの中で発生したスポーツ外傷の治療はもちろんですが、練習や試合を繰返し行い疲労や負担が重なり発生したスポーツ障害を専門的に扱います。
通常の生活では発生しない特徴的な症状があり、スポーツレベルの多様性、スポーツ種目による障害の特異性を考慮し、一般の外傷とは異なり最終的には競技への復帰を目的に治療を行います。
当院では個々のスポーツ特性や競技レベルに応じ治療からリハビリテーション(必要な場合、理学療法士による理学療法を行います)、競技復帰後の再発防止まで、患者さま医師、理学療法士などが一丸となって取り組めるよう努力しています。
ここでは最近よくみうけられる、脛骨疲労性骨膜炎(シンスプリント)について簡単に説明します。
脛骨とはいわゆる「スネ」の骨です。この骨の後ろにはヒラメ筋、後脛骨筋といった筋肉があり、それが脛骨の内側の骨膜(骨の表面の膜)に付着しています。
そこに繰返し刺激が加わり、炎症が発生し骨膜炎をおこしたものが脛骨疲労性骨膜炎です。
陸上やバスケットボール選手などに多く、下腿内側の下3分の1が好発部位です。
スポーツ時やスポーツ後に痛みを生じますが、ひどくなると歩行時にも痛みを感じるようになります。
脛骨疲労骨折でも同様の症状があるため、レントゲン検査を必ず行う必要があります(脛骨疲労性骨膜炎が長く続くと疲労骨折に至るとも言われています)。
軽傷の場合、練習量を減らすとともに練習内容の改善で対応可能ですが、重症の場合はスポーツ活動の中止が必要となります。
そのほか、リハビリテーション、ストレッチ、足底装具などを用いて治療を行います。
脛骨疲労性骨膜炎などに代表されるスポーツ障害の治療の基本はスポーツを続けながら治すことです。
しかし実際には休むことが必要な場合も多くあります。日本ではいまだに根性論が根強く残っており、痛くてもスポーツを続けることが美徳とされる経口があります。